第3回 Web写真展《秘密の結婚》/《ドン・ジョヴァンニ》

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 2月11日、大学院の修了オペラ公演が開催されます。今年の演目は、チマローザの「秘密の結婚」(全2幕より抜粋)とモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」(全2幕より抜粋)です。
 昭和初期から平成初期にかけての音楽写真を網羅した小原・堀田写真コレクションには、たくさんのオペラ公演が収蔵されており、もちろん、「秘密の結婚」も「ドン・ジョヴァンニ」もあります。特に、「ドン・ジョヴァンニ」は1948年の藤原歌劇団による日本初演の写真があり、日本のオペラ史的にも貴重なものといえるでしょう。全てをご紹介できないのは非常に残念ではありますが、その中から選りすぐりの10枚をご紹介します。
 

(1)「秘密の結婚」(チマローザ作曲)


 1792年2月7日、チマローザはロシアからの帰国途中に寄ったウィーン・ブルク劇場で「秘密の結婚」を初演し、大成功を収めました。感動した皇帝レオポルト1世は、直ちにチマローザをサリエリの後任の宮廷楽長に任命しました。日本での初演は、1961年11月28日、日本青年館で二期会研究生卒業記念公演として行われました。その後は、1968年の芸大オペラ公演、1977年の藤原歌劇団公演と続きます。

1)東京芸術大学音楽学部オペラ研究部


 1955年、ニコラ・ルッチがオペラの指揮教官として芸大に就任し、翌1956年、芸大オペラ公演第1回「椿姫」が行われました。1968年にはオペラ研究部が発足、10月16・17日に第14回公演としてチマローザ「秘密の結婚」が上演されました。
 
1968年10月16・17日
第14回芸大オペラ定期発表会「秘密の結婚」
文京公会堂
指揮:ニコラ・ルッチ 演出:長沼廣光
管弦楽:東京芸術大学音楽学部管弦楽研究部
撮影/小原敬司
(画像未公開)
      
 

2)藤原歌劇団


 1977年、留学先のイタリアから帰国した粟國安彦先生の初演出となったのが、この「秘密の結婚」です。粟國安彦先生の演出と星出豊先生の指揮という、新しい藤原オペラの誕生でした。
 
1977年6月3~5日
藤原歌劇団 第136回公演「秘密の結婚」
日本都市センターホール
総監督:下八川圭祐 指揮:星出豊 演出:粟國安彦
管弦楽:新星日本交響楽団
撮影/堀田正實
(HT-001044)
      
 

(2)「ドン・ジョヴァンニ」(モーツァルト作曲)


 「フィガロの結婚」がプラハで大成功したのを受け、プラハのエステート劇場監督はモーツァルトに新作オペラの作曲を依頼します。1787年10月29日、新作「ドン・ジョヴァンニ」がモーツァルト自身の指揮で初演され、大成功を納めました。日本初演は1948年12月の藤原歌劇団 第28回公演です。

1)藤原歌劇団(日本初演)


 日本初演となった藤原歌劇団による公演は、モーツァルト・オペラの舞台での日本初演でもありました。本学創立者の下八川圭祐は、ほぼ日替わりで騎士長役とレポレロ役に出演しています。藤原歌劇団は、この「ドン・ジョヴァンニ」と「タンホイザー」、「ローエングリン」上演の功績で毎日演劇賞特別賞を受賞しました。

 
1948年12月14~27日
藤原歌劇団創立15周年記念 第28回公演
「ドン・ジョヴァンニ」
帝国劇場 指揮:マンフレット・グルリット 演出:青山圭男
管弦楽:東宝交響楽団 合唱:藤原歌劇団合唱部
撮影/小原敬司
(8051.24)

ドン・オッターヴィオ(藤原義江)
      
(8052.01)

      
 
 

2)ウィーン国立歌劇場


 1959年は第2回NHKイタリア歌劇団公演と並んで、ウィーン国立歌劇場のメンバーによる初来日公演が行われました。「外来オペラ」と言えばNHKが招聘するイタリア歌劇団でしたが、この年、第2回大阪国際フェスティバルに参加するため、ウィーン国立歌劇場のメンバーが初来日し、大阪と東京で「ドン・ジョヴァンニ」と「フィガロの結婚」を上演しました。
 
1959年4月23・25・27日
ウィーン国立オペラ 東京公演「ドン・ジョヴァンニ」
産経ホール
指揮:ハインリッヒ・ホルライザー
演出:ヨゼフ・ヴィット
管弦楽:ABC交響楽団 合唱:藤原歌劇団合唱部
バレエ:法村・友井バレエ団
撮影/小原 敬司
(B5738-23)
      
 

3)ベルリン国立歌劇場


 1977年はベルリン国立歌劇場のオペラで始まりました。演目はモーツァルト=ダ・ポンテによる3部作「フィガロの結婚」・「ドン・ジョヴァンニ」・「コジ・ファン・トゥッテ」、劇場総出の初来日となる引越公演でした。

 
1977年1月6・18・22・24・26~27日
ベルリン国立歌劇場オペラ日本公演(1977年)
「ドン・ジョヴァンニ」
NHKホール/フェスティバルホール/名古屋市民会館
/神奈川県立県民ホール/東京文化会館 指揮:オトマール・スイットナー/ハインツ・フリッケ
/ヨアヒム・フライヤー
演出:ハインツ・アーノルド
管弦楽:ベルリン国立歌劇場管弦楽団
合唱:ベルリン国立歌劇場合唱団
撮影/堀田 正實
(HT-000672)

ドン・ジョヴァンニ (テオ・アダム)
 

4)二期会オペラ


 1957年6月、二期会は初めて「ドン・ジョヴァンニ」を上演しました。今回は、本公演としては10年振り4度目の公演となりました。
 
1978年11月17~20日
二期会オペラ公演(文化庁助成公演)
「ドン・ジョヴァンニ」 
日生劇場
総監督:中山悌一 指揮:山田一雄 演出:鈴木敬介
管弦楽:東京交響楽団 
合唱:二期会合唱団・二期会研究生
撮影/堀田 正實
(HT-001273)
      
 

5)プラハ国立歌劇場


 1985年6月、プラハ国立歌劇場の初来日公演がありました。「ドン・ジョヴァンニ」初演の地プラハの誇りを感じさせる、素晴らしい公演でした。
 
1985年6月15~17・19・21・23・25・27日
プラハ国立歌劇場「ドン・ジョヴァンニ」 
東京文化会館/神奈川県立県民ホール
/静岡市民文化会館 /大津市民会館
/名古屋市民会館/フェスティバルホール  
指揮:ズデニェク・コシュラ―  
管弦楽:プラハ国立歌劇場管弦楽団
合唱:プラハ国立歌劇場合唱団
バレエ:プラハ国立歌劇場バレエ団 
撮影/堀田 正實
(HT-001193)
 

6)NISSAY OPERA SERIES


 1991年はモーツァルト没後200年であり、モーツァルト・イヤーとして様々なイベントが目白押しでした。日生劇場での「モーツァルト没後200年記念6大オペラ公演」もその一つで、9月と11月の2か月間で6つのオペラが公演されました。
 
1991年11月7~8日
NISSAY OPERA SERIES '91 
モーツァルト没後200年記念6大オペラ公演」
(芸術文化振興基金助成事業)  
「ドン・ジョヴァンニ」  
日生劇場
指揮:秋山和慶 演出:鈴木敬介
管弦楽:東京交響楽団 合唱:二期会合唱団 
撮影/堀田 正實
(HT-000835)
 

7)英国ロイヤルオペラ


 英国ロイヤルオペラの3回目6年振りの来日公演は、モーツァルト=ダ・ポンテによる3部作「フィガロの結婚」・「ドン・ジョヴァンニ」・「コジ・ファン・トゥッテ」を引っ提げての引越公演でした。
 
1992年7月9・14・17・20日
英国ロイヤルオペラ1992年日本公演 
「ドン・ジョヴァンニ」
(アサヒビールビッグスペシャル)  
東京文化会館/フェスティバルホール  
指揮:ベルナルド・ハイティンク
演出:ヨハネス・シャーフ
管弦楽:ロイヤル・オペラハウス管弦楽団 
合唱:ロイヤルオペラ合唱団 
撮影/堀田 正實
(HT-001147)
 

<参考文献>
日本オペラ振興会編(1986)『日本のオペラ史』日本オペラ振興会
増井敬二著,昭和音楽大学オペラ研究所編(2003)『日本オペラ史 上』水曜社
関根礼子著,昭和音楽大学オペラ研究所編(2011)『日本オペラ史 下』水曜社
水谷彰良著(2015)『新イタリア・オペラ史』音楽之友社
東京芸術大学百年史編集委員会編(1993)『東京芸術大学百年史 演奏会篇 第3巻』音楽之友社
堀内修著(2005)『モーツァルトオペラのすべて』平凡社
江上優子(財団法人日本オペラ振興会)編(2005)『藤原歌劇団創立70周年記念誌(1934年6月〜2005年2月)』財団法人日本オペラ振興会
「二期会50年史」編集委員会(2003)『二期会創立50周年記念 二期会史(1952~2002)』二期会
東成学園80年史編纂委員会(2021)『東成学園80年史』東成学園
 
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